FC琉球の未来を考えるシンポジウム part3

ねこあざ

2009年12月11日 09:00

質疑応答は,かなり長いので2回にわけてアップしました。

Part2から読んでください。
シンポジウム質疑応答 後半

発言者7
トルシエ総監督のことですが,5つの運営方針の4番目のメディアプランディングにありますが,果たしてトルシエ総監督のブランディングのイメージとしてどれくらいの効果が出ているのか,2002年のW杯でベスト16に導いた実績が絶大なイメージを持った監督ではありますが,そのイメージが今でも続いているのか。そして本土の方では,東京などの大都市でのイメージ,そして沖縄でのイメージはどれくらいの効果がでているのか。
そして,総監督という立ち位置としてどうチームに関わっていくのか。現状で年に数回しか沖縄に来ていないという状況の中で,トルシエ監督にチームが支払う報酬で,どれくらいの費用対効果が出ているのか。その分を新たな選手獲得にまわせば,チーム強化に繋がるのではないかという声もあります。トルシエ総監督がいることで,現場との温度差をフロントはどう考えているのか。フィリップ・トルシエなき琉球はありうるのか。

榊原:トルシエ総監督の今後の立ち位置としては,本人が大志を抱いて沖縄のこのプロジェクトに飛び込んできた彼の想像図と,現状が一致しているかというとそぐわない部分があるのが現実です。当初は2,3年でスタジアムができると聴いてこのプロジェクトに関わってきた,そのなかでトップチームをプロとして強化していく必要で,地域の人の圧倒的な求心力にトルシエになって欲しいというのが,彼が最初にうけた説明でした。
最初の2008年はトップチームのプロとしての強化に,ラビエとの二人三脚で意志決定に関わったシーズンだった。選手のプロとしての環境作りに集中することと,指導方法をトルシエが世界の中で培ってきた知識の中で,フィジカルというよりはもう少し,頭を使うサッカーに,もっと判断力を増す,選手達がそれぞれの役割を認識をして頭を使ったサッカーをすれば,今のフィジカルで十分だというのが彼の持論だったので,フィジカルよりももっと戦術的な練習,ここの選手がそれぞれの状況の中でなにが正しい選択なのかを判断する能力を養う必要がある。そういう指導方針の中で2008年は行われたが,それはフィットしなかった。いくつかの問題があると思うが,本当は2,3年トルシエにトップチームを任せるべきだと思っていたが,2008年のシーズン終了時には,チームの経済的な状況がなかった。
また,トルシエに2,3年任せて磨きをかけて強くなっても,Jにいけない。3年後にスタジアムがないという現実。そこでトルシエと話し合って,トップチームを磨くことよりも,周辺のメディアコミュケーションとか,スポンサーセールスとか,このプロジェクトをもっと多くの人に知ってもらうための広報活動に,この1,2年は関わって欲しいと要望した。トルシエ自身はトップチームに関わりたいのですが,そこを取り上げてしまった状態です。
彼が積極的にサッカー協会や他のチームに働きかけている部分は,確実の浸透してきているし,彼がトップセールスとして獲得したのがブジョーであったり,ぐるなびさんもトルシエがまとめてくれた。本人としては風通しよくフロントとの関係を持ち,もっと子供達や普及や育成の部分に,トルシエが提唱する育成プログラムのカリキュラムを組んで,トップチームの強化部門に組み込んで,子供達や親たちとコミュニケーションをとってもらって,彼の持つ知識や経験は豊富なものであり,せっかくFC琉球にいても県民やサポーターと顔を合わせることがなかったので,そういったことをやらせたいと思っている。
あとは,チームを数年かけて成長させていく上での,監督として指導者としての経験はいきるものがあるので,それは適材適所で活かしていけたらと思う。
現場との温度差はどうかというと,シーズン前には新里監督とも十分に話をした,相談があればのってもらっているし,新里監督もきちんと伝えている。ただ,監督であるいじょう,最終責任は監督だと。そうでなければ昨年のような総監督と監督の間で責任が不明確になってしまうので,監督がトップチーム決定を行う。その上でトルシエが相談することや指導を仰ぐことはいつでもできるようにした。
来年の監督は誰になるのか,これから10日間の間にきまることですが,きちんとコミュニケーションを取れる環境を用意していくなかで,トップチームの状況によっては,相談や指導力を活かせるようになればいいと思う。
メディアブランディングでは,トルシエは圧倒的な認知度あると思うので,内地に行ってもトルシエのことを知らない人は少ないと思う。彼の認知度を沖縄のサッカー界にどういかせるのか,それは我々の手腕にあるし,沖縄のマスコミと連携しながら活用の仕方を考えていけたということです。

発言者8
県のサッカー協会との連携とかいわれていましたが,13年間高校サッカーに関わる中で残念ながらFC琉球が夢という選手をまだ見たことがありません。
現在チームに求められているのは,足下をどうかためるかという一点に限られてくると思います。
これまで多くのビッグネームがきましたが,どれも運営会社が生かし切れなかった。
いずれにしても沖縄の多くの人たちが,またあのチームは有名な人間を連れてきて何かやっているよといレベルでしか見ていないのが残念で仕方ありません。
これまでの失敗を繰り返さない,過去の事を知っている人間のアドバイスを聞く機会をもうけるとか,そういうことをしていかないと,根本的にまた刷新していくということなので,そのあたりは徹底的にやっていただきたいと思います。
今後の経営的な面も含めて,いかに透明性のあるチームを作れるのか,それこそがメディアに取り上げられて,メディアに取り上げ安い状況ができるのかだと思う。
ここに来ている人は多くいるように見えますが,ほんの一部のサッカーファンだと思っています。
まだ榊原の考えを浸透させるにはあまりもグローバルすぎている感じがするので,そのあたりから具体的にどのようにやっていくのかを発表していくのが重要じゃないかと思っています。

榊原:7つの誓や5つの運営方針を挙げて,言葉に並べることは簡単ですが,これを具体的に一つ一つ実行していき,皆さんに感じてもらったり参加してもらったりすることは大変なことだと思います。
綺麗な言葉を並べてもやってみなければわからないこともあって,最初に関わってから,自分がこのような形でFC琉球に関わるとは思っていなかったので,ただこういう形にあなり覚悟を決めて,皆さんと共にゼロから出発をしようと,覚悟を決めるには並大抵のものではなかったですが,相当な覚悟を持ってこの場に望んでいますので絶対やります。
必ずここに書いているのが形になるように,はいずり回ってでも,血を流してでも成し遂げたいと思っています。
そのために,皆さんから忌憚ない意見を欲しいと思いますし,チームがよくなっていくためのことであれば,一つずつやっていくし。
また1年後に,多少はよくなったねと,新しくなったねと言われるようにシーズン頑張りたいと思っています。
おっしゃるとおり,経営の透明性とかが問われるのが,Jリーグにあがっていく上で必要なことになっていくので,これは私どもが筆頭株主でいき続けると言うことではなくて,できる限り県内の公共性の高い企業,地域を支えるみなさんに出資のお願いにまわっていきたいと思っています。
出資のお願いにまわるだけでなく,企業の経営的な面でも参画していただけるようなお願いにあがりたいと思っていますし,もっと言えば県やFC琉球をホームタウンとして受け入れてくれる市町村があれば,そこにホームタウンを据えることをイメージした中でチーム作りを考えていきたいですし,Jリーグにあがるための準備の3年間になると思います。

発言者9
こういった場を設けていただいて本当にありがとうございます。
事務所の方と関わってきた中で感じた要望を一つ言わせてもらいます。
まずは「感謝」と「ありがとう」という言葉を忘れないで欲しいです。
メール一つとっても,全くできているとは言えません。
協力をいただく活動で大事なことだと思いますが,今まで数年間の事務所の方々の行動から失望を感じてしまっている人を直接みています。
これから先,沖縄でゆいまーるとかという気持ちを持って活動していくのであれば,スポンサーだから金を出してもらうのは当たり前だという気持ちではいて欲しくないです。
ここ数年間で失ったものを取り戻すのは大変だとはおもいますが,そういう気持ちを忘れないでください。
そして社員教育はしっかりやってください。
スポーツチームを扱っているのは特殊に見えますが,一つの会社にはかわりないので教育はしっかりされた方が良いと思います。
事務所の一人一人の行動が,周りの企業全部が見ています,沖縄県民全員が見ています,そして一人一人が代表でもあると思います。

発言者10
1番をプロであることを自覚するのは球団であると思います。榊原さんがFC琉球という球団をプロとしてみるのであれば,組織としてプロというのはこういうものであるというビジョンがあればお聞かせいただきたい。
クラブの中で現場,スタッフ,営業も含めて縦のコミュニケーションの中で,うまく意思の疎通がとれず,それがストレスになって貯まってそれが不満になって,その中でお腹がすけばケンカっぽくもなりますし,お金が絡むと中でグチャグチャになっていくのが,ここ数年のFC琉球だったと思います。
風通しのいい縦の関係,それがしいては他の企業との関係にも繋がっていくと思うので,今後どうやっていくのか。
球団として選手の管理をもうちょっと厳しくやってもらわないと,この小さな地域の中でJリーガー出身だからといって別にえらい事ではないです。逆にJリーグを経験したのにその程度の社会常識しか知らないのか。また,その選手を指導できない球団はどうだろうと。
ここ数年の行動を県民は見ている。選手には直接いわないですよ,頑張ってくださいとしか,球団スタッフも頑張っているねとしかいわないかもしれないですけど,サポーターに対してははものすごく厳しいことをいいますよ。お前達のチームは何をしているとか,負けているのにあんな風に飲みに行くわけとか,連敗しているのに松山に飲みに行って何をやっているのと。
そういう根本的なところ,沖縄県に才能のある選手はいっぱいいるかもしれないけど,あの球団には行って俺はもう一回やり直したい,上を目指したいといわれるようなチームになるためには,成績だけでなくてチームとしてどうあるべきかを聴きたいと思います。
そういったところが変わらなければ,来年どんな選手がきても一緒だろうし,上が変わらないと現場変わらないと思うのでお聞かせください。

榊原:非常に耳の痛いところです。
今のプロフェッショナルってなんだろうなと。選手達にプロとはなんぞやといいますけど,選手にしてみればサッカーをして,そのサッカーで家族を養っていく,仕事として収入を得る道がそこしかない。仕事として自分自身がサッカー選手というものを生業にしているものですから,それに対して責任を持つということが必要でありますし,その責任を果たすためにできる限りの精一杯のことをやるということになると思います。
この2年間を見ていて,FC琉球の最大のウィークポイントはフロントにあって,その中でチームを支える組織として機能していなかった。組織の中に熱みたいのが,野口代表に色々な話を聞いて,組織のみんなと向き合ったときの感じとしては,ビビッとくるものがなかった。その中で,元々スポーツキングダムにいた方もやめるとか,社員教育にも繋がることかもしれないですが,ビジョンというか,この会社として組織としてどこを目指していくのか,その中で何をそれぞれがプロとして自分の役割を果たしていく。
自分が社員によくいうのは,自分も一つの歯車だし,新入社員も歯車だし,みんなが綺麗に機能して回りあうことで全体が動く。例えば社長が大きな歯車だとしたら,その歯車を回すのは小さな歯車であったりする。みんながそれぞれの歯車として機能して役割を果たす組織にしようと考えています。
新組織では,ご指摘を受けて社員教育というものもそうですし,フロントとしてのFC琉球の社員のという責任と誇りを持って努めてもらえるような,フロントのプロフェッショナルへの意識改革をしっかりおこなって,選手達への対峙を行っていきたいと思います。
選手管理につきましては,来季の選手,プロとして契約した選手達をどう管理していくかは,色々と試行錯誤をする必要があるのかなと思っています。
今日もリーグの人たちと話でJFLでプロ契約をしている選手達よりも,仕事を日中して夜に週3回とか練習をしている選手達の方が,ピッチにたったときにハングリーに強い思いを持って闘っている場合を,往々にして目にすることがある。
JFLのレベルでは。それは何かというと,ソニー仙台の選手とか,横河武蔵野とかが上位にひしめく訳ですが,彼らは自分のサッカーに対する思いを,普段仕事をして自ら支えて自分を犠牲にしてサッカーにためにやっているんだという思いが,ピッチの上で強く出るのではないかと思う。
逆にプロ契約をしてFC琉球で,沖縄で気候のいいなかで好きなサッカーができて,多くはないけど給料をもらえて,もう満足してしまっている。それよりも,プロとして貪欲に上のリーグを目指すとか,さらにいい契約をかちえるとか,そういうプロが持つべき野心とかハングリーさをなかなか抱く選手が,今のところ少なかったり,そういう中でプロとしての意識が低かったり,後は時間の使い方がわかっていなくて,我々の教育が足りなくてですね,日中の練習時間だけ,あとはうちに帰って昼寝をして,夜ご飯を食べる前にパチンコを打っているようなことをしている選手もいることを聞いている。
来季からは,選手達の時間を自分たちがきちんとコーディネートしてあげようと思っています。プロだから午前の練習,午後までの練習をきちんとこなして,また明日朝10時に集合と,その先は選手達の意識とかに任せるのではなくて,その間にも選手達にどうやって時間を使う必要があるのか,逆に地域の中で行われる指導とか,色んな形でサッカー協会とかも話していこうと思っている。
今考えているのは,選手2人1チームにして県内の高校,中学で希望するチームに週1回,もしくは2回指導にいかせて,そのチームと1年間一緒に過ごさせてもらう。その中で,子供達にサッカーを教える喜びを感じてもらったり,逆に子供達からの期待を受けたりする中で,自分たちがそのチームに関わっていくことで,時間を有効に活用できるし,自分たちがその選手達に与える影響,その子供達が選手達に与えてくれる影響が,プラスに働く道がないかどうかを考えている。選手の時間の管理をして選手達の意識改革,選手達をどれだけ大人にしていけるかということが,今の技術とかフィジカルとかをあげていくことと同じくらいのウェイトで人間としての成長を促すための努力を来季のシーズン,トップチームに関してはしていきたいと思っています。
そういうことで,選手の意識が変われば責任感というものをうけてめて,自分たちの結果の責任をきちんと受け止められるだけの判断力を持ち合わせるようになれば,負けた試合の夜に松山に飲みに行くようなことも間違ってできないと思うし,しようとも思えないはずですし,選手としての行動や意識にも反映されていくのではないかと思っています。ここは,どれが正しい教育方法だということは,なかなかないと思いますが,まだ手探りの部分もありますが,確実に何か手を打っていきたいと思っています。さきほど,おっしゃられた「感謝を忘れるな」という言葉を今日の私もそうですし,うちのスタッフ全員が胸に刻んで帰るようにしたいと思います。

発言者11
FC琉球は,うちの子がユース,Jrユースとお世話になって長いおつきあいをしていますが,今現在のお願いですが,息子がユースに入っていますが,こちらの方11名しかいないんですね。監督もいない状態でフィールドもない。
ここに掲げられた5つの運営方針ですが,この中で,今までは30を超えた選手を県外から呼んできたりするのもいいんですけど,今までそういう運営の仕方では無理があると思うんですね。新しいビジョンとしてユースを強化して,それで若い選手を育ててトップに持っていくような,違ったビジョンでトライしてみてはどうかなと思います。
そうすることによって,おのずと2番3番が達成できると思うんです。一,親としての意見としてですが,そこらへんお願いします。

榊原:おっしゃるとおりなんです。ユースに関しては11名しかいないという事ですけど,学校教育の中のサッカークラブに所属させるよりも,月謝まで払っていただいてサッカーを指導してもらって,FC琉球のユースに通って,それでもサッカーを学ばせたいという環境作りができていないということは,深く反省をしていまして,来季ユースに関しましては体制を一新します。
最終的にはユースから持ち上がってトップチームにそのまま昇格していく環境が,3年とか5年のスパンは必要だとはおもいますが,できあがっていけたらと思っていますし,後は沖縄県として地域として考えないといけない問題として,ユースとして存続していく上で試合数が絶対的に少ないと思うんですね。ちかい将来九州リーグに所属する必要があると思いますし,その時の移動交通費の問題はどうするんだと出てくると思います。
やっぱり,九州リーグにいってユースが闘う機会を作るために,これは我々としては色々とどこまでできるかわからないですけど,営業活動をしっかりしてユースの子供達が九州にいって闘える環境を作りただす努力をしたいと思います。それを全部親御さんに負担してもらうのは,現実離れをしていると思うので。
あと,県内のサッカーで才能能ある子供達が,FC琉球のユースに入って,サッカーを学びたいというレベルの指導体制と環境作りを来年からは着手していきたいと思います。これは,今年はクラブ全体の中では収支が取れずに,経営的に苦しいところはあるのですけど,それは将来の投資ということで必ずやるべき事だと思いますので,ユースの親御さんとか選手の方には来季も,ご一緒にチームを支えていく部分とか,育っていけたらと思います。早い段階でユースの体制とか,Jrユースの体制,さらにジュニアの体制を年明け早々,早いタイミングで皆さんにご提案,ご相談できるようにしたいと思いますので,その時には色々とご意見とか,現実にお子さんを預けている上での問題点などを教えてもらえたらと思います。よろしくお願いします
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